2013年2月2日土曜日

Fou d`Absinthe(2006) by L'Artisan Parfumeur



ラルチザンパフュームのフーアブサンを試しました。表向きは男性向けを謳っておりますが女性ファンも多いのでは?と思わせるスマートなアロマティック・フゼア。調香はプルミエ・フィグエ、フィロシコス、ティー・フォー・トゥ、ティユル等を手がけたオリヴィア・ジャコベッティです。



芸術家を破滅に追い込んでしまうほど中毒性のあるニガヨモギ(アルテミシア)の入ったリキュール「アブサン」。1908年10月7日スイスでは国民イニシアチブ(Volksinitiative)がアブサンを禁止しました。特にヴァル・ド・トラヴァース地方ではアブサン禁止策に苦しみ、非合法で蒸留が継続されていたようです。フランスのペルノ社は製造が禁止されていないスペインにその生産を移行させています。一時期、生産を中止しておりましたが、現在はニガヨモギの分量を制限することで生産できるようになりました。アルテミシアはゲランのDerbyにも使われています。以前、ラクロワにもアブサンの名を冠する香りがありました。

トップからツンとしてほろ酔い気分に襲われます。アルコールを感じます。お酒です、これは。それがハートへ移行すると柔らかく変化していきます。この感覚はまさに良い飲み方をした時のお酒です。薬草的な甘みとひんやりとしたお酒の感覚は肌の上で平行線をたどり、気が付いたらすーっと消えておりました。あれ?ってほどあっさりとした幕引き。
前に書いた感想の中では「使いにくくない」と書いておりましたが、これは使い方を間違えると酒臭い人になるから注意しなければなと思います(笑)しかし、印象に残る妙な透明感は何だったんでしょうか。

「アブサンの狂気」は優しい顔してやって来る。だから虜になっちゃうのよね...。しかし、まったりした私には似合わないかもしれません。


香調: ウッディ・アロマティック・スパイシー
Top:  ニガヨモギ、アンゼリカ、カシスのつぼみ
Heart: スターアニス、スパイス、パチュリ
Base: 松葉、シスタス、モミのバルサム

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