2016年3月6日日曜日

Jardin Secret(1990) by Patricia de Nicolaï


Parfums de NicolaïのJardin Secretを試しました。

肌につけた途端に、はつらつとしたタンジェリンが弾け、後を追うようにフェミニンなアプリコットが覆いかぶさるのですが、何よりも「これは」と分かっちゃうくらい最初からオークモスとジャスミンが存在をアピールしており優雅です。そのモスとアプリコットの混ざり合いには現代の貴婦人といった雰囲気があり、非常に品格のあるシプレーフローラルとなっております。同じくアプリコットを使ったニコライの香りにJuste Un rêveがありますが、そちらには夏の日の気だるさ(常夏の良い香りです)を感じるのに対し、このJardin Secretからは春の暖かさを感じます。

ハート移行するにつれて気高いチュベローズが香り始め(バニラやバルサム系ではないお花の甘み)、芯の部分から僅かに青いバラの匂いがしているように感じます。不思議なのですが、暖かいムードでありながらひんやりと冷めた部分も同居しています。

ハートからベースへ移るとともにシダーウッドやアンバーグリスやパチョリも出てきて、優雅さの中に男性性が見出されるような筋書き。全体を通してチュベローズとジャスミンとオークモスが主役。フルーティですが決してふわふわしていない、クラシカルな正統派。芳ばしくてぶれないところが素敵です。白いお花の庭園はオープンなようでいて近づこうとすると閉じられてしまう。だって「秘密の花園」だもの。何で無くしちゃったかなぁ…再販を望みます。

Chypre Floral
Top: Apricot, Tangerine, Black Currant.
Heart: Rose, Jasmine, Tuberose.
Base: Patchouli, Cedarwood, Oakmoss, Ambergris.
By Patricia de Nicolaï

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