「復活」した老舗仏パフューマリー、オリザ・L・ルグラン(Oriza L. Legrand ※但し現在の経営者は一族ではない)の香りはその時代のムードを体現したかのようです。 1720年にファージョン家が創設したオリザは元々薬剤師の家系で、19世紀にはフランス国内だけではなくイギリス、イタリア、ロシアの貴族に愛され、各国の宮廷御用達にもなりました。1939年に廃業して、2012年にリニューアルしています。
オリザ・ルイ・ルグランのサンプルを入手しました。個人メモになりますがスミマセン。
(カタログはこちらです)
●Jardins d'Armide(アルミードの庭 1909)
香調:フローラル パウダリー
Top : オールドローズ、オレンジブロッサム、アイリスパウダー
Heart: フィレンツェ産イリス、ワイルドバイオレット、ウィステリア、カーネーション
Base: ハニー、アーモンド、トンカビーン、ムスク
●Chypre Mousse(シプレムース 1914)
香調:シプレー
Top : ワイドミント、クラリセージ、ワイルドフェンネル、グリーン
Heart: オークモス、ガルバナム、シダ、ワイルドクローバー、マスティック、
ヴァイオレットリーフ
Base: ベチバー、パインニードル、オークモス、フレッシュマッシュルーム、
ローストマロン、レザー、ガルバナム
●Horizon(ホライゾン 1925)
香調:オリエンタル レザー
Top : ダークビターオレンジ、タンジェリン、ローズ
Heart: コニャックアンバー、アロマティックタバックリーフ、ココアローストアーモンド、オールドオーク、パチョリ
Base: ベンゾイン、アンバーグリス、ピート、タバックブロンド、バニラ、ハニー、ソフトレザー
●Violettes du Czar(大帝のスミレ 2014)
Top: Violet Leaves & Wild Violet.
Heart: Violet from Nice, Iris & Heliotrope.
Base: Tolu balm, Leather, Amber and Gaïac wood.
※「ロシアの革」も試したいなぁ。
●Heliotrope Blanc(ヘリオトロープブラン 1886/2014)
Top: Orange Blossom, Heliotrope, Violet Leaf
Heart: almond, heliotrope, mimosa, iris
Base: Musk, Heliotrope, Rice Powder, Benzoin, Tonkabeen
夏目漱石の「三四郎」にも同名の香水が登場しますが、これはオリザのものではなくロジェ・ガレ版でした。白粉が迫ってくる感じです。こちらはフェミニンな雰囲気なのですが、F**granticaでは男性用になっていました。しかし、そもそも男性用だの女性用だのというのは最近になってから区分けされるようになったもので、昔は普通に男性もフローラルノートを着けていました。
全体的にオリザの香りは昔の雰囲気の再現度が高いのか、現代に作られている香りでさえ、100年前のものに思えてくるから不思議です。それは良し悪しで、好きな人にはハマりますが、苦手な人には駄目なのかもしれません。
0 件のコメント:
コメントを投稿