黒いサージの布―言葉は要らないのではないかと思うので、というより沈黙してしまうほど格好いい。
トップは体臭の染み込んだ背広(ただし背筋の伸びた男性が着る)。10分ほど過ぎた頃、その背広を着た男性が斎場について、今は亡き故人への抹香を額に押し頂く。
彼には何の台詞もない。彼には念仏が風の音ほどにしか聞こえない。この後、男は亡き故人を追悼するために足を進めるのだ。厳粛な復讐の物語でもある。
...といった、怪しい妄想力を掻き立ずにはいられない、渋く、厳かな、寡黙な香り。フィルム・ノワール。お焼香の時の匂いですよね。こんなに心惹かれるとは思いませんでした。職場では遠慮すると思いますが、オフの時はたまりませんね、この匂い。
パチョリ、シスタス、シナモン、アンバー、ウッディノート、香、クローブ、スパイス、黒檀。
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