今回は世界で最初のユニセックス香水と言われている古典的で嫋やかなジッキー。ボトルはエメの兄弟ガブリエル・ゲランが担当しています。
1889年フランス革命100周年のパリ万国博覧会が開かれ、エッフェル塔が完成した年に発表された歴史ある香りで、クマリンやバニリン等、初めて合成香料が使われたモダンな香水でした。当時は僅かにムスク、シベットが調合されていました。この他の動物性香料として、カストリウム、アンバーグリスが使用されていたという話もありました。
その名の由来ですが、ゲラン家の調香師エメ・ゲラン(ピエール=フランソワ・パスカル・ゲランの息子)の好きだった若いおてんばなイギリス女性(エメはイギリスに留学していた)へのオマージュというのが一つの説です。エメは恋に破れて27歳で一人フランスに戻りました。
あるいは甥ジャック・ゲランの愛称とも言われております。
ジッキーの名には幾つかの由来がありますが、そのどちらでもなくて相手は男なのでは?誰とも結婚しなかったエメさんの相手...と妄想へ走ってしまいそうになりました(^^;)スミマセン。
仏語や英語のサイトを見てみると、当初は男性的な青のボトルに入れられ(初期のボトルは角ばっていて男性的です)、当時の調合では男性に愛されましたが女性はあまり好んで着けなかったようです。時代が経つにつれ、女性にも愛されるようになり、今日では世界初の男女兼用香水として知られるようになりました。もちろん、今でも男性の愛用者はおられます。
そもそも香水って、男性用、女性用と言う区分けが有りませんでした。チャップリンがMitsoukoを愛用していたくらいですから。だから、当時は男性からバラの香りがしていたり女性からバリバリのレザーの香りが漂っていたりと、今よりフリーダムだったんじゃないかと妄想しております(笑)
年月を得て、レシピはオリジナルと比べると香料等の関係で大分変更されているみたいです。こちらは近年のバージョンの感想ですが、ハーバルなラベンダーを桜餅のような(これよこれ)柔らかい香りが包み込み、透明な暖かい風を連想させます。疾走感のあるアクティブなイメージなんでしょうか??クラシックカーを運転する女性のイメージは確かに分かりますが、個人的には涼しげな眼差しで最終的にエヴゲーニイ・オネーギンを振ってしまうタチヤーナを思い出します。エメは自分が振られた時の情景まで再現していたのか?!
香調: セミオリエンタル、アロマティック(アロマティックフゼア)
公式
トップ: ラベンダー、ベルガモット、ローズマリー
ミドル: ローズ、ジャスミン
ラスト: トンカビーン、ウッド、オポパナクス、バニラ
Fragrantica
トップ: レモン、マンダリン、ベルガモット、ローズウッド
ハート: オリス、ジャスミン、パチョリ、ローズ、ベチバー
ベース: レザー、アンバー、ジャコウ、トンカ、お香、ベンゾイン
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