2016年2月28日日曜日

Vanille Tonka(1993/1997)Vanille Intense(2009) by Parfums de Nicolaï

左→右:現行ヴァニーユ・トンカ、オリジナルのヴァニーユ・トンカ、ヴァニーユ・アンタンス

現行のヴァニーユ・トンカ、オリジナルのヴァニーユ・トンカ、ヴァニーユ・アンタンスを試しました。オリジナルという言葉は正しくないのかもしれませんが、以前いただいたサンプルと現行版の香りとでは、液体の色が違ったのでこういう書き方をしました。発表年も1993年と1997年の2つの表記を見かけたのでどちらとも掲載しました。

Vanille Tonkaオリジナルのトップは最初から香ばしいブラックペッパーやトンカ豆の香りが主張。ピリッとした部分はバジルでしょうか?レモンは弾けた後、ベールのように漂っているので酸味も感じます。数分も経たないうちに襟もとを正すようなカーネーションととシナモンが顔を出してきて、それが滑らかな乳香の香りと重なり合います。トップが結構短めでハートの部分とオーバーラップし、ベースの香りは最初から感じ取れているものです。シナモンとブラックペッパーとオレンジフラワーの下にあるバニラ(アブソリュート)やトンカ豆も気軽な感じで登場。(気軽というか気さくというか...)
全体を喉が渇きそうなくらい乾燥した空気感でまとめられているのですが、この感じは近年作られた(再構成も含め)香水を試している時によくお目(鼻か)にかかる匂いです。EDPながら展開が早く、鼻につくような刺激は感じるものの、こざっぱりしていて現代的で香ばしい。トンカ豆とバニラが主役。「ナチュラルで酔わないスパイシーヴァニラ」

Vanille Tonka現行版のトップはピリッとしたレモンとマンダリンオレンジとオレンジフラワーの存在が強めでしばらくこれが続きます。(下のほうにスパイシーなシナモンがあるのは感じる)ハートにあるカーネーションとブラックペッパーはほんの少し見え隠れするだけ。少し時間が経つと、トンカ豆、シナモン、ブラックペッパーがメインで匂い始め、乳香が覆いかぶさるとハートに移行したのが感じ取れます。トップとハートとの境界線はオリジナル版より明確なように思います。芳ばしさはオリジナル版より若干落ち着いていて上品な印象。ハートからベースに移行する間に軽かったバニラが前に出てきます。
終始、気さくな感じで、ライトで、話しかけられやすい印象。健康に気を付けてカロリーを少なめにする代わりにスパイスを強めにしたようなまとまり。これはこれでアリとは思いますし、しっかりと洗濯された白いお召し物に似合う、カジュアルでナチュラルで素敵な香りだと思います。

Top: バジル、レモン、マンダリン
Heart: カーネーション、オレンジフラワーアブソリュート、ブラックペッパー、シナモン
Base: フランキンセンス、バニラアブソリュート、トンカ豆

Vanille Intenseのトップはフルーツと花の香りが前面に出る。オレンジとオレンジブロッサムアブソリュート。ハートへ移行するのはゆるやか。オレンジブロッサムとイモーテルが絡み合ってきて、お花の中にスパイスが降りかかります。オレンジ&カレー、そしてシナモン。核にあるはずのバニラよりも花が勝っていますがバニラは居ます。ただ、お菓子の時のバニラを想像していたら面食らうかもしれません。
ベースにはアンバーのぬんめりとした肌色の質感があってそれが冷たく静かに佇んでいる。バニラプラスお花というよりお花ほんのりバニラ&アンバー。ウエットな質感で女性的で芯の強い匂い。そうでありながら鼻の根っこが刺激され乾燥するような感覚が現代に作られた香りだなあと感じます。

Top: オレンジシュープリーム、オレンジフラワーアブソリュート
Heart: イモーテルアブソリュート、シナモン、バニラ
Base: アンバー

ここからは個人的な感想ですが、Vanille TonkaはユニセックスでVanille Intenseは女性的。残り香はVanille Tonkaのほうがバニラ&トンカ豆、Vanille Intenseはアンバー&バニラ&お花。持続性は恐らくそんなに長くありません。(こればかりは人によります)どちらを選ぶかは好き好きです。

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